アスペルガー症候群の子供への支援である特別支援教育にもまだまだ課題があります。
特別支援教育が始まったことにより、各学校には特別支援教育コーディネーターが置かれ、保護者や教師の相談窓口になったり、校内や地域の関係者・関係機関との連絡調整をおこないます。
しかし、コーディネーターとしての経験がまだ不十分で、支援が十分に機能していない現状もあります。
コーディネーターや関係者にどのような研修が必要か、効果的かという研修プログラムの工夫と評価もこれからです。
幼稚園、保育園段階からの早期発見と早期支援体制も大いに期待されています。
そして、教師のみならず、他の子供やその保護者の正しい理解も必要です。
制度が整ったとはいえ、学校が導入に積極的でないこともあります。
校内委員会などの体制が万全でない場合は、まずは校内で味方を見つけましょう。
アスペルガーに見識がある人が校内にいない場合は、積極的にコミュニケーションを取ってアスペルガーとはどういうものなのか理解してもらいましょう。
スムーズにいかないこともあるかと思いますが、根気よく頑張ることが重要です。
特別支援教育の仕組みは、アスペルガー症候群、自閉症、学習障害、AD/HDといった発達障害の子供に対し、個々のニーズに合わせて支援するシステムになっています。
学校、特別支援学校、関連機関はそれぞれ連携をとります。
各機関の詳細は次の通りです。
特別支援学級と通常学級との間で連携をとります。
・特別支援学級
生徒数一人からでも編成することができ、最大は8人です。
学校によって、養護学級、育成学級など、呼び名はさまざまです。
・通常学級
小学校や中学校の一般的な学級のことで、通常の強化授業やホームルームを行います。約40人程度です。
・通級による指導
比較的症状が軽い児童生徒に対し、個々の症状の状態に応じた一部特別な指導をおこなうために設置します。
視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、身体虚弱など、比較的症状が重い児童生徒に対して、専門性の高い教育を行います。
・地域の学校への助言や援助
センター的機能を担い、地域や学校で、総合的で全体的な配慮と支援を行います
・ニーズに合わせた指導
児童生徒の自立や社会参加に向けて、一人一人の持っている力を発揮させます。
・教育機関 幼稚園、小学校、中学校、高校、高専、大学
・医療機関 医師または歯科医師のいる病院や診療所
・福祉機関 児童相談所、児童福祉施設、福祉事務所
・労働機関 障害者就業・生活支援センター、ハローワーク
・保健センター 地域における母子保健や老人保健の拠点
・その他 各種障害者団体、児童福祉関連のNGO
①専門医に診断内容を確認
対応は早ければ早いほど子供にとって良いため、専門医に診てもらうことをためらわずに専門医の診断を受ける。そして、診断名と障害の内容をしっかり確認する。
②今後の状況を想定
幼稚園・小学校・中学校・高校・大学・就職など、今度の歩みを想定し、それに伴いどのような選択をすれば良いのか、そのために何をすべきか見通しを立てる。
③親として何をすべきか確認
専門医などに相談し、その子に合った療育を確認する。例えば、環境の整え方やパニックになった場合の対処方法、他には薬の飲ませ方など、日常生活で気を付けた方が良いことなど全て確認する。
④子供の成長・改善などを確認
「かたくなにイヤがっていたことを素直に出来るようになった」「楽しそうに学校へ行くようになった」など、改善したことを親として素直に喜んで下さい。療育を実践することによって、ゆっくりであっても一歩ずつ進んでいることを実感できていれば、親も子供も前向きになれます。これまでイライラばかりの日々であっても、改善していることを実感し希望が持てるようになり、それを報告する相談先があれば、親自身の精神的なケアにもなります。
③がない所もありますので、④まで辿り着けるように"信頼"できる相談先を見つけることも大切です。