幼稚園や小学校の選び方

アスペルガー症候群の子供は、集団生活があまり得意ではないので、親としては幼稚園や保育園に入園させる時期や小学校の選び方について悩むところです。
入園した後は、家庭の次に長い時間を過ごす場所となりますので、慎重に選びましょう。

 

まずは、公園や児童館、プレ幼稚園、お試し保育など、たくさんの子供がいるところに連れていって子供の様子を見ます。

 

強く抵抗する場合は、集団生活するにはまだ早いでしょう。
保育所や幼稚園への入園を急ぎ過ぎると、集団生活に対する苦手意識が強くなり、かえって慣れるのに時間がかかってしまう場合があります。

 

小学校の場合は、子供の多様性を認めてくれる学校を選ぶようにしましょう。
公立の学校の場合は、いろいろな子供を受け入れているので、地域によって、不登校やいじめの問題が起きてもフォローしてくれる体制が整っているところもあります。

 

いずれにしても、学校を選ぶ際のポイントは、気持ちよく過ごせるかどうかです。
難しいかと思いますが、子供の目線に立って選ぶようにしましょう

 

 


教師や保育士を味方につける

アスペルガー症候群の子供が楽しく生活を送るため、また支援するためには、保護者と保育士・教師との信頼関係が必要不可欠です。
家庭でどのような対応をしているのかを伝え、小学校に入学させる前は、積極的に就学相談を利用しましょう。

 

就学相談では、障害がある児童や病気になった児童、また特別支援学校への就学などについての相談を受け付けてくれます。

 

教師や保育士の理解が得られれば、子供の強力なサポーターになってくれます。
子供のサポーターは、同時に保護者の相談相手でもあります。

 

特別な個別指導がなくとも、幼稚園や学校で毎日安定した生活を送るための支援を受けることは大切な療育です。
毎日通う幼稚園や学校の教師が子供の特性を知っていてくれることは非常に心強いことです。

 

保育士や教師は複数の子供の面倒を見る必要があるので、過度の期待はしない方がいいですが、それでも発達障害ということを知ってもらい、そのための対応をとってもらうことで、子供は非常に過ごしやすくなります。
子供が学校を好きになればどんどん好転していきます。

養護教諭、保健室

アスペルガー症候群の子供への支援として、親は養護教諭からも情報を集めることが大切です。
学校生活の中で、教室とは違った形で学習や生活面への援助をおこなっているのが保健室です。

 

養護教諭の場合、担任や専科の教師とは違い、子供が自ら保健室に来たときに、子供の状況を把握します。
つまり、悩みや困難に感じていることを直接・間接的に訴えられることで、その子供が一番必要としている助けを知る場合が多いです。

 

養護教諭が特別支援教育の中で担うべき役割は大きくなっており、アスペルガー症候群の子供への対応を工夫しています。
校内委員会を運営する特別支援教育コーディネーターや養護教諭もよき相談相手となります。

 

校内委員会では、コーディネーターが集めた情報を元に、子供に応じた支援方法を考えます。
必要があれば、学校外に専門的な支援や援助を求める場合もあります。

 

気になることがあったら、遠慮せずに養護教諭や外的な専門機関を頼りましょう。
子供が家にいる間は親がサポートできますが、学校にいる間はそうではないので、どうしても外部のサポートが必要になります。

教師の客観的な視点

アスペルガー症候群の子供への支援に関して、教師の方が客観的な視点で見れる場合があります。

 

「うちの子はどこかほかの子と違う…」
何となくそう感じていても、親としてはなかなか認められない時があります。

 

発達障害が軽度の場合、家庭での様子と学校での様子に違いがあることがあります。
担任の教師がアスペルガー症候群の疑いがある子供に気付き、その状況を親に説明しても、子供の障害を受け入れようとしない親は少なくありません。
返って怒る親も多いくらいです。

 

保護者が、障害ではない、支援の必要はない、と拒めば、子供の支援はそれ以上先に進めることはできません。

 

アスペルガーの子供を育てるにあたって、親としては戸惑うことや悩むことは数え切れないと思います。
しかし、ここは子供の人生のために、子供の利益のために、ぐっと我慢してください。

 

全ての支援は、保護者が障害の事実を受け入れることで、前進します。
子供と一緒に一歩一歩がんばって歩んでいきましょう。

 

子供の将来を理解してくれる学校を選ぶ

アスペルガー症候群の子供の学校選びのポイントは、子供の将来を理解してくれる学校を選ぶことです。
発達障害に対して理解のある教師や、よく勉強している教師が複数いるところが望ましいです。

 

公立の場合は、現在、4~5年単位で教師の移動があります。
理解のある良い教師がいたけれども、数年ですぐ異動になり、その後は十分な支援が受けられない、というような場合もあります。

 

また、学校は校長や教頭が変わるだけで、運営方針が大きく変わる場合もあります。
その結果、発達障害のある子供への対応が消極的になることも考えられます。
ですので、理解のある教師が校内に複数いれば、学校全体の取り組みは少しのことでは揺らがないでしょう。

 

進学先を決める場合は、実際に見学に行くことがおすすめです。
その学校の教師と面談する機会が持ちましょう。
より具体的な姿が見えてきます。

 

見学に行ったときの、子供の様子や表情も選択の基準の一つになります。
居心地のよさを感じているときは、自然に明るい表情になるものです。
反対に、しんどそうな顔をしているときは、あまり合っていないと推察することができます。
子供の細かい気持ちの揺れ動きを読み取ってあげましょう。

 

 

アスペルガー症候群ガイドより

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