集中力が続かない、時間が守れない、片付かない…大人の『ADHD』かも!? 症状と対処法


最近、ADHD(Attention defficit hyperactivity disorderの略)、という言葉をよく聞きませんか?



これは、日本語では、注意欠陥・多動性症候群となり、大人になってから気づく事もあるといいます。


病気の特徴としてはその言葉の通り、以下のような症状が見られます。


・多動性……じっとしているのが苦手で、落ち着きがない
・不注意……集中力が続かない、気が散りやすい、忘れっぽい
・衝動性……思いついたことを、よく考えずに即座に行動に移してしまう


これらの症状を特徴とする発達障害の一つといわれています。
患者さんの多くは、じっと座っていなければいけない、など社会的ルールが多くなってくる、小学校入学前後に診断を受けることが多いです。

しかし、最近では、職場や家庭での日常生活に支障を来たしてしまう、ということで病院を受診し、診断を受ける大人も増えているのです。



■ADHDの主な症状とは?


症状の現れた方には個人差が大きいですが、その症状の現れ方から、以下の3つの大きなグループに分けられます。


①不注意が目立つ群
・忘れ物が多い、物をなくしやすい
・気が散りやすく、集中力が続かない
・興味があるものには集中しすぎてしまい、切り替えが難しい
・字が乱れる
・片付けられない
・ボーっとしていて、話を聞いていないように見える

また、大人になると、以下のような症状が現れ仕事に支障を来たすようになります。

・仕事などでのケアレスミスを繰り返す
・時間管理が苦手
・約束を守れない
・仕事を順序立てて行うことが苦手


②多動性・衝動性が目立つ群
・落ち着きがなく、授業中立ち歩く
・体を動かすことを止められない
・衝動を抑えられず、ささいなことで手を出してしまったり、大声を出したりする
・乱暴、反抗的、という目で見られやすい
(こちらは、一時期、学級崩壊の原因の一部、ということでニュースにもなった症状です)

大人になると、以下のような形で現れます。

・思ったことをすぐに口にしてしまう
・おしゃべりを始めると止まらない
・自分のことばかり話す
・衝動買いをしてしまう
・貧乏ゆすりが止められない


③混合群
・上記の、不注意、多動性・衝動性の両方の特徴を持つ
・いずれの症状の現れた方の度合いは人によって違う



■ADHDって何科を受診すればいいの?

もし、上記の症状が当てはまり、なおかつ、仕事、家庭生活において日常的に支障が来たすということであれば、病院を受診することをオススメします。

子供であれば、小児科、もしくは、児童精神科を受診しましょう。大きな総合病院、大学病院ですと、専門医がいることが多いです。
もし、近くに専門医が見つからない場合には、地域の保健センター、児童相談所でも対応していますので、問い合わせてみましょう。

大人で、初めてADHDと疑われる症状で受診するのであれば、精神科を受診してください。



■ADHDの診断基準は?

診断ですが、問診、受診者さんの様子を直接観察すること、周りに人から情報を得ることで診断の参考とします。
診断の基準は、以下のようになります。


1. 上記の症状があり、同程度の年齢の発達水準に比べて、より頻繁に強く認められること
2. 症状のいくつかが7歳以前より認められること
3. 2つ以上の状況において(家庭、学校、仕事など)支障を来たしていること
4. 発達に応じた対人関係、学業的、職業的な機能が障害されていること
5. 広汎性発達障害や統合失調症など、他の発達障害、精神障害による、不注意、多動性、衝動性ではない


初めて病院を受診する際は、日頃の行動や様子を具体的に記録したメモや書面を持参するようにしてください。その際、子どもの頃の印象を家族に聞いておくとよいでしょう。



■ADHDの診断は慎重に!

お子さんをお持ちの方はご存知だと思いますが、小さい頃には、上記の、不注意、多動性、衝動性などの症状は多くの場合ごく普通に見られます。
また、他の発達障害がある場合にも、同じような症状が見られるため、素人ではなかなか区別がつきません。そのため、医師はADHDの診断には、時間をかけ、慎重に判断するのです。

ADHDを知らないと、その症状の数々から、本人が怠けている、親の教育のせい、悪気があってやっている、などの誤解、非難が生まれてしまいがちです。
周囲が、ADHDという病気をしっかり理解し、一番苦しんでいる本人のサポートをすることが大切になります。



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