アスペルガー症候群のための治療法が確立されてないと言っても、解決策が何もないわけではありません。心理学をベースにした教育やカウンセリングを行えば、症状を克服することは可能です。
では、今度は「認知行動療法」を用いた解決策をご紹介します。
まず、認知行動療法とは何なのかについてみてみましょう。認知行動療法とは、その人の思っていること、感じていること(認知)に明らかな支障があった場合、それを改善に向けてアプローチをかけていくことです。
アスペルガー症候群の認知行動療法も同じです。ここでも、本人の行動の背景には絶対何か理由があると考え、理由を解明します。そしてその理由を補正し、問題行動をなくしていきます。これが認知行動療法の目的です。
本人の認知がゆがむのは、色々と理由があるはずです。育ち方や人との関わり方で考え方は形成されていくので、今更ゆがみを矯正するのは難しいかもしれません。それでも、認知のゆがみによって本人が不幸な思いをしているのは事実です。
ここでは、家族や医師が本人に優しくアプローチをしながら、本人の認知にフォーカシングしていきます。何かゆがみで苦しんでいることがあったらその理由を尋ねたりして、ゆがみをなくしていきます。こうしたアプローチが、認知のゆがみによる問題行動を防いでくれます。
これには長い時間を要しますが、急ぎすぎてつまずくより大きな効果が得られます。