友達をつくる方法

友達をつくるきっかけ作り

いきなり「友達になって下さい」というのもダメとは言えませんが、唐突すぎて相手も戸惑うかと思われます。できれば、互いに自然な形で近付いていける方が良いので、友達作りのきっかけとしては、何か簡単なこと(モノを運ぶ・モノを提供するなど)で良いので、手助けをすることが良いかと思われます。例えば、お茶を運んだり、ハンカチを貸してあげたりなどです。

 

人というのは、何かをしてもらうと、それと同等のお返しをしたくなるものです。従いまして、お茶を運んであげたからスグに友達になるという訳ではなく、相手は「先日、お茶を持ってきてくたから、今度は自分が持って行ってあげよう」などと思うものです。そして、相手がお茶を持ってきてくれたなら、あなたは「ありがとう」と言って、できれば軽く微笑んで下さい。「ありがとう」だけでもいいのですが、軽く微笑むことで「私は、あなたを気持ち良く受け入れています」という暗黙の合図になります。

 

ただ、お茶を運んであげたからといって、相手も必ずお茶を運んでくれるというモノではなく、仕事を手伝ってくれたりするかも知れません。または、何もしてくれないかも知れません。いずれにしましても、あなたは相手に見返りを求めず、仮りに何もしてくれなくても、「どうして何もしてくれないのか?」などと相手に詰め寄るようなことはしないで下さい。もしかすると、あなたに何かしてあげたいと思っても、何をすればいいのか分からないのかも知れません。もしくは、何かしてあげるチャンスを伺っているのかも知れません。ただ、「お茶、どうぞ」など少しの言葉でも交わすことによって、親しくなれる可能性は高まることに違いはありません。一度、少しでも言葉を交わせば、次は違和感なく気軽に話が出来るようになるものです。

 

という訳で、アスペルガー症候群の人だけに限りませんが、友達作りは「親切心」がキーワードとなります。大袈裟なことをする必要はなく、簡単で単純なことでいいのです。何らかのきっかけにより多少の言葉を交わせば、次は何かをしなくても「天気がいいですね」「忙しそうですね」など他愛もない挨拶程度の会話がしやすくなります。そのようにして、少しずつ互いの距離感が近づき友達関係が築かれていく可能性が出来てきます。

友達関係を維持するために

友達であれば多少のワガママを聞いてくれたりもしますが、あまりにも甘え過ぎると友達もイヤがります。やはり、親しき仲にも礼儀ありというくらいですから、持ちつ持たれつの関係を維持し、前回ワガママを聞いてくれたのだから…と甘え過ぎず、求めるばかりになってしまわないよう気を付ける必要があります。従いまして、あくまで友達とあなたは対等であることを忘れず、甘えん坊の子供のようにワガママ言いたい放題にならないようにして下さい。

 

あなたが興味を持っているモノ(趣味など)を友達に話し、友達も興味がありそうなら、あなたの知識を伝え共通の趣味を持てるようにすれば、友達関係はより深いものへと変わる可能性があります。逆に、あなたが友達の趣味に興味を持つことができれば、友達に色々と教わるのも良いでしょう。ただ、教えてあげる場合も教えてもらう場合も、話しをすることに熱中するあまり、しつこく喋り過ぎないよう注意する必要があります。アスペルガー症候群の人は、自分の話しに集中してしまい、相手のことを気にせず話し続ける傾向にあるため、ひとつ話しをした後は、相手に感想を聞くなどして交互に話しをするようにし会話が成立するようにして下さい。一方的に喋り続けると相手はしんどくなり、話しを聞いているのが辛くなって、あなたと話すことが面倒に感じるようになるかも知れません。

 

あと、共通の趣味でなくても、友達が興味を持っていることに対して質問をするのも良いでしょう。誰でも自分の好きなことを人に話すのは楽しく感じるため、あなたが友達の趣味について質問すれば、友達は喜んで話してくれるはずです。友達が楽しそうに、または得意げに話しをしているとき、あなたは言葉を挟まず「うん、うん」「分かる、分かる」という感じで軽くうなずきながら話しを聞いてあげて下さい。相手が喋っているときに言葉を挟んで話しの腰を折ると、友達は気分を害する可能性があるため気を付けて下さい。

 

人というのは、そのときの気分次第で、同じようなことであっても、怒るときもあれば広い心で許してあげられるときもあります。それは、誰にでも起こる感情の起伏ですから、どうしようもないことです。ただ、相手の感情を察することが出来ないのであれば、あなたが話しかけたとき、いつものように返事をしてくれなければ、それ以上は何も言わずにそのままにしてあげて下さい。相手は、話しかけられたに返事をしなかったことに、後で後悔してあなたに悪いことをしたと反省するはずです。だから、あとから普通に話しかけられたら、返事をしてくれなかったことに触れず、あなたはいつも通りに接して下さい。

 

 

友達があなたの自宅を訪ねてきたとき、あなたは友達を部屋に一人にしておくようなことをせず、友達が快適でいられるように、飲み物を出してあげたり、楽しく会話することを心掛けて下さい。友達があなたの自宅を訪ねてきたということは、あなたとの会話を楽しみたくて来ているのですから、放ったらかされたら、友達は歓迎されていないように感じてしまいます。

 

アスペルガー症候群の人だけに限ることではありませんが、人と人とが上手く付き合っていくには、相手を思いやる心が大切です。相手を思いやる心があれば、大抵のことは上手く乗り越えていけるはずです。相手のことより、自分を優先することばかり考えていると、そのうちケンカになります。従いまして、時には友達の補佐役に徹してあげることも、友達関係を維持するためには良いことです。しかし、友達に迎合して、何もかもいいなりになる必要はありません。あなたが絶対に受け入れられないと思ったことは拒否して構いません。

 

最後になりますが、アスペルガー症候群でない人でも、友達作りがヘタな人は大勢います。従いまして、アスペルガー症候群であることが友達が出来にくい原因の全てではないのです。他人と上手く会話を続けることが出来ずに、友達がいないと悩んでいる人もいますし、あまり人とつるむのが好きでない性格であるがために友達が少ないという人もいます。世の中には、友達を作りたくても作れないという人がいくらでもいるのです。だから、あなたも友達作りに焦る必要はありません。まず、話しのきっかけを作り、そこから友達に発展していくかどうかは、誰にも分かりません。話しのきっかけ作りなど多少の努力は必要ですが、なかなか友達が出来ないからといって気にしないで下さい。本当に仲の良い友達というのは、そう簡単に作れるものではなく誰でも時間が掛かるものです。

 

 

アスペルガー症候群の特徴より

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