うまく会話する方法

コミニケーションのとり方

アスペルガー症候群ではない人たちの多くは、言語の他に表情やしぐさなども交えて会話をしています。一方、アスペルガー症候群の人たちの多くは、言語のみで会話を成立させようとします。それは、表情やしぐさなど、言語以外のコミュニケーション方法から情報を得ることが苦手だからです。しかし、それは多数決の原理によって、アスペルガー症候群の人たちのコミュニケーション方法が圧倒的に少ないというだけで間違った方法とは言えません。ただ、少ないがゆえに大多数とは違うと見られ、理解してもらいにくいのも事実です。従いまして、間違ったコミュニケーションの取り方とは言えなくとも、大多数の人たちに理解してもらいにくいのであれば、ある程度は大多数に合わせるしかありません。そのため、アスペルガー症候群の人たちは、大多数の人たちのコミュニケーションの取り方を理解するために、多少なりとも努力する必要があることをご理解下さい。

会話するときの表情

人が会話をする際、無表情では堅苦しいどころか怒っているようにも見えてしまうため、多くの人は、話の内容に合わせた表情を意識的にまたは無意識で作り出しています。その際、相手に気持ちよく話しをしてもらうには、笑顔で聞いてあげることが一番です。意味もなく大笑いする必要はありませんが、無表情より軽い笑顔を作っている方が相手に安心感を与えます。その安心感とは、イヤイヤ話しを聞いているのではなく、喜んで話しを聞かせてもらっているという暗黙の合図みたいなものです。よく「彼女(彼)は愛想がいい」などと言いますが、その笑顔を絶やさないことを意味しており、笑顔は誰とでも仲良くなれる魔法のアイテムみたいなモノです。ただ、アスペルガー症候群の人たちの中には、感情を表現する際の「表情」がひとつかふたつ程度の人もいます。そのような人が、無理に笑顔を作り出そうとするのは大変かと思われます。しかし、その笑顔があれば、誰とでも仲良くなりやすいのですから、ぜひ笑顔を作れるようになって下さい。最初は笑顔を続けるのは難しいかも知れません。しかし、色んな人と会話できることが、とても幸せなことであることを心の底から感謝して、何度も笑顔の練習をして下さい。感謝の気持ちを持ち続けていれば、あなたの笑顔は本当にステキな笑顔となるはずです。

アスペルガー症候群の会話術

会話の中で、相手の名前を入れるのとそうでないのとでは、相手が受ける印象は大きく変わります。「そのネクタイ素敵ですね」と「○○さん、そのネクタイ素敵ですね」とでは、文章を見ただけでは大差がないように"あなた"は思うかも知れません。それ以前に「不適切」「親密すぎる」と感じてしまうかも知れません。しかし、多くの人は名前を呼ばれることによって、本人はあまり意識をしていなくても、無意識のうちに相手に認められているという安心感を持ちます。逆に、何年も一緒に仕事をしているにも関わらず、一度も名前を呼ばれたことのない相手には、人として認められているという感覚が芽生えにくいため、知らず知らずのうちに距離を置いてしまいます。その距離を一気に縮めてくれるのが、相手の名前を会話に入れるという方法です。相手との距離が縮まれば、相手はあなたのことを理解しようとしてくれるため、あなたの特性をも理解してくれる可能性がグッと高まります。これは簡単な方法ですから、ぜひ覚えておいて下さい。

会話するときの態度

話しをするときの態度も気にしておく必要があります。例えば、腕組みをするという行為は、相手を拒絶しているとき自然に出るポーズのひとつです。他には、相手に対して、顔を斜めにしたり少し横に向けた状態で、相手を横目で見るという行為は、相手に対して猜疑心を持っているときのポーズになります。従いまして、そのようなポーズは取らないよう意識し、話しをするときは相手の正面に立つようにして下さい。しかしながら、アスペルガー症候群の人で、相手との距離に関してあまりにも間違った感覚を持っている人が少なくありません。例えば、相手の横にピッタリとくっついて立つのは、ほとんどの人は嫌がらせをされているのかと感じてしまうほど違和感を持ってしまいます。逆に、話しをする相手と離れすぎていると、そこまで嫌がらなくても(怖がらなくても)…などと感じてしまうものです。しかし、何センチ離れていれば良いという基準はありません。これは感覚的なものですから、近すぎず遠すぎずとしか言えません。そのため、まわりの人たちをよく観察し、適切な距離を知るようにして下さい。ただ、間違いなく言えるのは、相手に近づいていったとき、相手が少し後ずさりしたり、顔をそむけるようであれば距離が近すぎています。

お互い気持ちよく会話するために

スムーズに会話するためだけでなく、会話を楽しむためには、会話していることで相手が気持ちよくなれる状態を作り出すことが必要です。あなたとの会話が楽しければ、相手はあなたをもっと理解したくなります。そうすれば、あなたのアスペルガー症候群による特性も理解してくれるようになるハズです。そうなるためにも、相手が気持ちよく感じる会話術を身に付けて下さい。その会話術は、「合いの手を入れる」という方法です。例えば、相手が話している最中や一通り話し終わった直後に、「うんうん」という感じでうなずく(軽く2~3回頭を上下させる)という方法です。相手が話し終わった直後に、「なるほど~」「うそみたい!」「本当に?」「へぇ~」「分かる、分かる!」などと言うのも効果的です。そのように言うことで、相手は自分の話に「感動してくれた」「驚いてるようだ」「納得してくれた」などと感じて、あなたとの会話を心地よく感じます。あと、相手の話を要約して相手に伝えるという方法もあります。例えば、相手の話を聞き終わった直後に、「○○すると、△△になるってことなんだよね」などと相手の話を要約して伝えると、相手は「そうそう!」などと言いながら「理解してくれている」と感じ心地よく思うものです。逆に、相手の話しが終わったあと、あなたが何らリアクションも取らず無言でしかも無表情でいると、相手は「話の内容が伝わらなかったのかな?」「自分のことが嫌いで無視されているのかな?」などと不安に思い、あなたとの会話を楽しく感じることが出来ません。従いまして、大げさでなくて良いので、相手の話しに対してリアクションを取るということは、他人とのコミュニケーションで非常に大切であることを覚えておいて下さい。

 

 

アスペルガー症候群の特徴より

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