アスペルガー症候群は広い意味での「自閉症」に含まれる一つのタイプで、幼児期に言語発達の遅れがなく比較的わかりにくいですが、成長とともに対人関係の不器用さがはっきりすることが特徴です。
これまでは学童期以降あるいは成人後に初めて診断を受けることが少なくなかったのですが、幼児期に診断を受けるケースも増えてきました。
早い時期から子どもの特徴を理解し、ニーズに合った適切な支援につなげていくことが、子どもの発達には望ましいことです。
アスペルガー症候群は、広い意味での「自閉症」の1つのタイプです。
最初に症例を報告したハンス・アスペルガーというオーストリアの小児科医の名前にちなんでつけられました。
アスペルガー症候群は、自閉症の3つの特徴のうち、
①対人関係の障害
②パターン化した興味や活動
の2つの特徴を有し、コミュニケーションの目立った障害がないとされている障害です。
言葉の発達の遅れがないというところが自閉症と違うところです。知的発達に遅れのある人はほとんどいません。
高機能自閉症、非定型自閉症などは、厳密にはアスペルガー症候群と区別されますが、「知的発達に明らかな遅れがないが、自閉症の特徴を有している」という点では共通しています。
そのため、一般的には「アスペルガー症候群」は、それらの人たちも含めて、広い意味で使用される傾向があります。
また、「高機能」というのは「知的発達に明らかな遅れがない」ことを表し、自閉症状の程度(現れ方)とは無関係な用語です。「高機能」でも自閉症状の強い人々もいますので、決して支援が少なくていいわけではなく、個人にあった支援が必要です。